ジャパン フォーカス:ロート、キリン、カルビー

Japan focus

日本の栄養補助食品企業と市場に関する最近の動向をキャッチアップ。ロートの Eu Yan Sangにおける成長計画、キリンの脆弱性と低pDC活性との関連性に関する研究結果、  カルビーのパーソナライズド栄養戦略など。

ロートのEu Yan Sang成長計画、TCMとマイクロバイオームに関する研究結果を発表

伝統中国医学(TCM)サプリメントブランド「Eu Yan Sang」は最近オーストラリアで発売を開始し、今後日本、ベトナム、米国への進出も計画していると、親会社であるロートが発表した。同社はまた、マイクロバイオームとTCMに関する新たな研究結果も明らかにした。

大阪に本社を置くロート製薬は、8月6日に開催された2026年度第1四半期決算説明会において、TCMブランドに関する見通しと取り組みを発表した。

同四半期において、 Eu Yan Sangを含むロートの内服・食品部門の売上高は150.7%増の159億円に達した。

WATCH:キリン、フレイルとpDC活性低下との関連性を発見

キリンホールディングスは、プラズマサイトイド樹状細胞(pDC)の活性低下とフレイルとの関連性を発見したと発表、これが両者の関連性が初めて確立された事例であるとしている。

健康な高齢者に比べ 脆弱な高齢者は、インターフェロン-アルファ(IFN-α)を産生するpDCの割合が低いことが判明した。IFN-αは、ウイルス感染に対する免疫応答を調節するタンパク質である。この発見は、脆弱性のリスクがある高齢者においてpDCの活動を支援する必要性を示唆する点で重要となる。

ビデオで詳細をご確認ください。

桑の葉とシログワイの茶は食後血糖値の急上昇を抑制する可能性がある

日本の新たな研究によると、桑の葉とシログワイの皮から作られた茶を飲むと、食後血糖値の急上昇を著しく抑制する可能性があるという。

日本の佐賀大学と西九州大学の研究者は、この効果は桑の葉に含まれる1-デオキシノジリミシン(DNJ)に起因する可能性があると説明している。

DNJは、食後血糖値の上昇を抑制する役割を果たす化合物である。

シログワイの外皮はポリフェノールが豊富で、マウスと人間の両方で、炭水化物分解酵素の阻害と食後血糖反応の低減を示すと、研究者らはNutrients誌に記している。

プレバイオティクスで睡眠改善?カルビーが腸と睡眠のための個別化された栄養を構築

​日本のスナックとシリアルの会社であるカルビーは、プレバイオティクスが腸をサポートするための個別化されたアプローチに使用できる可能性があると考えており、研究では、睡眠の質にも関連することが示されている。

同社は、パーソナライズドニュートリションが将来的により一般的になると考えている。

既存の腸内微生物叢検査サービスをさらに磨き上げ、プレバイオティクスを栄養の重要な要素として活用してゆく計画である。

日本の機能性表示食品制度は、MSMの関節健康に関する表示を受け付ける

日本の機能性表示食品(FFC)では、メチルスルフォニルメタン(MSM)を配合し、関節健康に関する表示を行うことが可能になった。

MSMは、日本のサプリメントブランドで広く使用されている。

ただし、MSM、特に専門原料メーカーのBalchemが製造するOptiMSMブランドがFFCに使用されるのは、これが初めてである。